小林弘人『ウェブとはすなわち現実世界の未来図である』


ウェブとはすなわち現実世界の未来図である日本で一番ウェブをわかっている男「こばへん」こと小林弘人氏の新刊『ウェブとはすなわち現実世界の未来図である』が、3月15日にPHP新書から発売されます。

ネットは私たちの暮らしをどう変えるのか、机上の社会論ではなく「いま起きている事の本質」を解説した一冊です。

小林弘人氏は、元「ワイアード」日本版の編集長で、ブログブームの火付け人。現在は(株)インフォバーン代表として「ギズモード」「ライフハッカー」の運営者としても有名です。

インターネット黎明期からメディアに関わってきた彼がわかりやすく解説するネットの歴史とリアル社会の関係。会社や組織がかかえる問題点と迎えつつある未来とは。

過去には「フリーミアム」「シェア」「パブリック」といったネット上の概念を日本に紹介してきた小林氏ですが、今度はテクノロジーを苦手とする人びとに向けて、この困難な時代をどう生き抜くべきか、ウェブのトレンドやネット技術とどう向き合っていくべきかを書き下ろしています。

第1章《ウェブ2.0以降の世界はこう変わった》ではアルゴリズム中心から脱却し、人間の力を利用し始めたウェブの変化を。

第2章《「シェア」が生み出す新しい資本主義》では、ネットに影響された物事の本質的な価値について説明。ハイテクと社会の関係性を明らかにします。

第3章《なぜ日本企業は「オープン」に対応できないのか》では、旧型組織の抱えているイノベーションのジレンマとその解決作を探り、第4章《「ウェブをコピーした社会」が向かう未来》では、ネットに垣間見える未来の姿から、私たちは個人や組織人としてどう生きるべきかを考察します。

本書のオビには、推薦のお言葉をMITメディアラボ所長の伊藤穰一さんと、ビジネス・ブレイクスルー大学学長・経営コンサルタントの大前研一さんからいただきました。

小林弘人『ウェブとはすなわち現実世界の未来図である』PHP新書で798円(税込)。3月15日より全国の書店で発売開始です。Amazonではすでに予約も始まっています

ここからは、私と本書との関わりについてちょっと書きます。

私は小林弘人氏から依頼を受け、本書の構成と編集、資料確認などを手伝いました。小林くんとはお互い二十代からの古い友人で、その当時から彼は、テクノロジーが人や社会に与える影響について考え、実践をしており、DTP、商業出版、ウェブメディアやアプリビジネスなどの世界で大きな実績を重ねてきました。

私も長いこと出版やIT系メディアで仕事をしてきたので、学歴や職歴も含めて、周りに優秀な人間はたくさん見てきました。しかし一緒に仕事をしてみて、本当にこの人は本質がわかっているな、本物の知性があるなと感心したのは、小林弘人くんと橘玲さんのふたりだけです。決して威張ることなく、いつも弱い立場の人のことをちゃんと考えている。こういう人と一緒に仕事ができたことは私の人生にとってとてもラッキーなことでした。こばへんは尊敬できる大切な友人です。

世の中にはオタク的にITが詳しい人はたくさんいます。しかしこばへんは違う。私は彼と20年以上つきあっているけど、まだ誰も話題にしていない時に「これからはDTPの時代だ」「インターネットはすごいぞ」「ブログが来る」「ツイッター」と、彼が見つけてきて強く推したものは本当に社会を変革してきました。

その間、私たちの周りには他のテクノロジーや新興メディアもたくさんあったのです。しかしこばへんは常に先を読み、大切なものだけを正しく予測してきました。慧眼と言うほかありません。それは彼が技術の中にある本質を見抜き、私たちの生活にとって大切なものは何なのかを理解していたからだと思います。

この『ウェブとはすなわち現実世界の未来図である』には、私たちにとって本当に大事なことは何なのかが書かれています。彼にはすでに数冊の著作がありますが、本書は新たな代表作となるでしょう。単なるハイテク賛美でもデジタル万能論でもなく、精神論のアジテーションでもない、冷静で、しかも血の通ったあたたかい目で今のウェブ社会を俯瞰しています。

小林くんは机上で論考する学者や評論家ではなく、編集者であり表現者であり、IT企業の経営者です。彼の感じているネット社会のリアリティは、モニタの上だけで出てきたものではなく、彼の実体験や行動から感じ取ったものだから強いのだと思います。

イノベーションの説明でスティーブ・ジョブズやジェームズ・ダイソンを例に出すときも、こばへんは実際に彼ら本人と直接会い、インタビューや会話をしてきた中で感じたことが書かれています。本書で解説しているのはウェブの話ですが、彼は「本当に大切なことはウェブには載っていない、検索しても出てこない」と言い切ります。

仕事のストレスを抱えている若い会社員や、ITがちっともわからず不安でいっぱいの中年の人に、また、自分たちの積み上げてきたものをどうやって次世代へ引き渡そうか悩んでいる経営者の方々にも、ぜひこの本を読んでいただきたい。きっと勇気を与えてくれる一冊となります。

ITや出版の世界は、どうしても視点が近視的になりがちです。今やっている仕事の微細な部分ばかりを気にしてしまったり、自分が勉強をしたことで満足してしまうこともあります。小林くんと話をすると、いろいろなことをもっと俯瞰して大局的に考えなくちゃ駄目だなと思わされます。

日々の暮らしや仕事の中でネットをどう活用すればいいのか、SNSとどう向き合えばいいのかなど、役に立つヒントがいっぱいです。小林弘人『ウェブとはすなわち現実世界の未来図である』をぜひご一読ください。どうぞよろしくお願いします。

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「緊デジ」後の近況など


1年以上も放置気味になっているブログですが、近況のご報告を。

昨年の1年間は出版デジタル機構と契約をして、緊デジ(経済産業省「コンテンツ緊急電子化事業」)という補助金事業に取り組んでいました。これは311復興支援の一環として、過去の書籍を電子化するというものです。

ここでは技術アドバイザーとして電子書籍の仕様を策定したり、制作や検品のサポートを行っていました。しかし、慣れない組織の中での仕事はストレスが大きく、事業の終了と同時に、デジタル機構との契約の解除を申し出ました。

この「緊デジ」事業の中で私がどのような作業を行っていたのか、先日の10月8日(火)にJAGAT(日本印刷技術協会)さんからの依頼で、講演を行いました。

講演の内容に関しては、akane_nekoさんのブログ「ちくちく日記」の中で、「緊デジ事業とEPUB制作環境の進展」として詳しいレポートが掲載されています。私の発言を上手にまとめていただいているので、そちらをお読みください。

この一年以上の間、中から見ていて、電子書籍や出版デジタル機構や緊デジなどについても、いろいろと思うことがありました。最近はちょっと電子書籍関係の仕事から離れているのですが、日本の出版社や印刷会社が電子の世界で生き残ろうと考えるのであれば、やはりもっと技術トレンドを理解し、オープンでソーシャルなビジネスへ向かう必要があるでしょう。

緊デジを終了した後、最近はほそぼそとWebや編集の仕事をやっています。基本的にはのんびり平和な日々を過ごしていますが、そろそろ何か新しい仕事を探さなくてはならないかなあとも考えています。このサイトやブログもなんとかしなくちゃなあ…。

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パブリッジで電子書籍のお手伝い


pubridge

大手から中小零細まで、日本の出版社が集まって作った電子書籍の新会社「出版デジタル機構(サービス名称:パブリッジ)」のロゴをデザインしました。

publish + bridgeで「pubridge」。出版(パブリッシュ)とさまざまな電子デバイスやサービスとの架け橋を目指す、電子出版のインフラ整備を行う会社です。

パブリッジの目標は、まず100万冊の電子書籍を市場に送り込み、大型書店並みの品揃えにしようというところから始まります。ゆくゆくはすべての書籍がデジタルで入手でき、全文を検索できるよう目指します。

深沢は、このパブリッジ(出版デジタル機構)で行われている電子書籍制作の仕様策定やフォーマット研究、システム作りなどをお手伝いしています。

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フォント関連書籍の解説を書きました


Webフォントコレクション OpenTypeフリーフォントコレクション

インプレスジャパンさんから3月9日に「サイトデザインに差をつける Webフォントコレクション」が、3月16日に「DTPの現場で役立つ OpenTypeフリーフォントコレクション」が発売されました。フリーフォントCD-ROMの付属する素材集書籍です。

「Webフォント」には180書体以上のWOFFフォントを収録し、印字見本のカタログやサンプルグラフィックを掲載しています。また、さまざまな主要Webフォントサービスも紹介。Webフォントの基礎知識から使い方までを解説しています。

「OpenTypeフリーフォント」では日本語、英語、記号やイラストのOpenTypeフォント500書体以上を収録。 OpenTypeなのでWin/Macの違いを気にせず、商用利用条件についても具体的に記載してあります。こちらにもフォントの基礎知識からOpenTypeフォントの特徴、印刷入稿の注意点など、DTPに役立つ解説を掲載しています。

それぞれに深沢がフォント解説の原稿を執筆しました。よろしくお願いします。

フリーフォントなので、品質にはさまざまなものが入っています。中にはとてもプロでは考えつかないような面白いアイデアのフォントもあります。WebでもDTPでも、気軽にいろいろなフリーフォントを活用してみてください。

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「ビジネスメールの中国語」をつくりました。


ビジネスメールの中国語三修社さんから発売になる「ビジネスメールの中国語(林 松涛・著)」の本文DTPを担当しました。この本は中国語(簡体字)でのメールや手紙を書くときに役立つ文例、決まり事、マナーなどを、たくさんの想定ケースごとに掲載・解説した語学書籍です。

以前に日本アジア航空(JAA)の機内誌DTPのルール作りをやった経験がありますが、今回は中国語のDTPと言っても文章ブロックが分かれておらず、日本語との混植なので、いろいろと苦労しました。

いちばんの問題は和文に合わせる中文フォントでした。めったにない仕事のためだけに高価な中文フォントを買うのは無理だったので、今回はAdobe CSに付属しているHeiti Stdと、Snow Leopardに付属のHiragino Sanz GBを使用。PDF埋めこみに対応している高品質の簡体字フォントがおまけに付属しているのだから、いい時代になったものです。 続きを読む

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